サービスラーニングってなーに? 

日本では「サービスラーニング」はまだ耳慣れない言葉ですが、知識偏重の教育に危機感を抱いている人たちの間では、体験を重視した教育が今大きな注目を集めています。

サービス・ラーニングは、コミュニティ・サービスと教科学習をつなげ

アカデミックな学問を学ぶ社会貢献型の体験学習です。

* 地域のニーズを満たすこと(地域の課題解決をめざすこと)、

* アカデミックな学問としてサービスをカリキュラムに取り込むこと

* 生徒が考え、振り返る時間や機会を持つこと

* クラスや学校を超えた地域と連動した学習の展開があること、

* 他人を思いやりいたわる感性を養うこと、

といった5つの要素が含まれることが必要だとされています。

 近年米国では、「ユースパラドックス」とよばれる青少年の社会参加におけるパラドックス現象がおこっています。これは、青少年のボランティア活動の参加率が近年高くなっているものの、社会や学習への関心は著しく低くなっているというものです。このような青少年をめぐる社会背景から、米国で10年ほど前から注目をあび、着手されてきた学習法が、サービス・ラーニングです。

 

日本青年奉仕協会[米国にて研修中]Mさんからのレポート

 先日、ミネアポリスという米国中北部の都市に、学校の先生たちを中心とした約2,000人の人々が

集まるサービスラーニングについての全国集会があり、私も参加しました。 

日本からも、浜松でNPOのサポート活動をしている団体の2人の方が参加されていました。

その団体では、市民活動の未来を考えて、子どもたちの市民性を育む教育プロジェクトに力を入れていて、

そのための研究と交流のために参加されたのだそうです。

 

 日本では、子どもたちの生きる力を育むために、教科書の学びにとらわれず、地域での体験学習などを

積極的に行う「総合的な学習の時間が」学校に導入され、様々な試行錯誤が全国で行われています。

現場の先生方の間では、決まった教科書がなく、自分たちで工夫をしてつくる授業に戸惑いもあるようです。

 米国ではこれと似た取り組みとして、サービスラーニングが全国的に広がり、政府の積極的な支援策も

採られています。日本の教育改革の目標は「生きる力を育む」とされていますが、米国のサービスラーニング

では「市民性を育む」ことが大きな目標になっています。

 

 学校で子どもたちが自分の将来のために勉強を重ねるだけではなく、子どもであっても社会に貢献して

生きること、そしてそのために自分の学んだ力を発揮することも学べるように積極的に取り組もうという

熱意にあふれた先生たちが、こんなにもたくさんいるということに私は圧倒されました。

 

 しかも、そこにはたくさんの子どもたちも一緒に参加していて、大人を相手に堂々と自分たちの活動や

学習の成果を発表し、大人の厳しい質問にもしっかりと答えていました。サービスラーニングは、

日本の学校でありがちな、奉仕活動を先生が生徒にやらせるという構図ではなく、子どもたちを

責任ある市民として認めて、先生と生徒がともに取り組む社会貢献と学習になっているということが

よくわかりました

 

 

 

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