ゆずり葉講演会 『傾聴〜心の声に耳を傾ける〜』に参加して


赤ちゃん絵本ボランティア
藤橋典子


 心理カウンセラーとして、日々数多くの人々の様々な心の悩みに触れカウンセリングを行なうとともに、講演、執筆活動もなさっている竹内先生はユーモアに溢れ、茶目っ気さえにじませる、楽しい方でした。
 心の問題を抱えて訪れる人々の話を聞き続けるということは、たとえ選んで就いた職業とはいえ、ご自身の心のコントロールも厳しいのでは?それに対し先生は「暗い顔でやって来た人が笑顔になる事が嬉しいから、その為に一生懸命話を聞くのです」とおっしゃっていました。それこそがこのお仕事のやり甲斐なのだな、と感じました。

 講演はテーマに沿って、人の話を上手に聞くコツをいくつかのポイントに分けて進められました。
 人は話を聞いてもらうことで、3つの効果を得るそうです。
1. カタルシス効果…話してすっきりする
2. バディ効果…孤独感からの開放
3. アウェアネス効果…頭の中が整理される
 心のモヤモヤを抱えた時、人に話すだけで心が軽くなったという、スッキリ体験、私の中にも山程・・・。聞いてくれたあの人、この人に改めて感謝したい気持ちです。
 現在、私は夫・子ども2人と生活し、仕事も少し持つ傍ら「赤ちゃん絵本ボランティアの会」の一会員でもあります。乳児の4ケ月検診や,図書館での赤ちゃん広場などで、絵本を通じて子育てを応援する活動に参加しています。その中で接する育児奮闘中のお母さん方も、こちらから語りかけ、話を引き出すことが出来ると、皆さん表情の明るさが増します。時間の許す限り、もっとたくさん、お母さん方の話を聞かせてもらいたいな、と感じました。

 「話を聞く上で避けたい6つのこと」では、先生はよくない例として具体的なセリフを真似て私達を大いに笑わせて下さいました。子どもとの会話、夫との会話、つい言ってしまいます、やってしまいますの連続。
 ではどうしたら上手に聞けるのか、最大のコツは「相手に暖かい関心を持つこと」なのだそうです。無条件に肯定的な関心を示し、うなづき、時に言葉を繰り返すことで、相手は自分を認めてくれていると感じ、心を開いて話せるといいます。

 私もこれ迄、特に子育てにおいて相手の心を受入れ、認めることの大切さは見聞きし、又体験し、心掛けならありました。ところが実際、うちの子達が見せてくれる言動はすべてに○をつけよ、というわけにはいきません。(特にひどいのは兄妹げんか!)親としてより人として腹を立て、つい出てしまうのは、避けたいとされる、否定、反論、分析の言葉たち。

 講演の後半では、相手の話を援助するためには、こんなケースにどんな聴き方・応え方をしたらよいかという具体的な対応をプリントにおのおの記入し、みんなで答え合わせをする、という作業をしました。これがとてもわかり易く、講演の前半の内容がスッキリ整理された気がしました。
 上手に聞きたい、相手の話を援助したいと思うならば、まずは気持ちを受け止め、尊重すること。例えば相手の行為に賛成することはできなくても、「そうなんだね。」と今の気持ちをそのまま受け止めること。これができれば、話し相手の気は次第に楽になるのです。

 そして、よりよく「聞く」ことが出来るようになる為には、自分自身に対する努力も必要であるとのお話もありました。自分自身をよく知ること、感受性や想像力を高めること、言葉の豊かさ、等など。それから、ユーモア。
 竹内先生は、一人でもカラオケにゆくのだそうです。又、本当か冗談かは謎として、時には砂浜に穴を掘って言いたいことを叫び埋めたりする・・・とも。積極的に気分転換を計り、自分自身の心のケアも大切に、という最後のポイントに、私はうんうんと大きくうなづき、ちょっとホッとした気分でした。

 今回、お忙しい中来ていただき、お話を聞かせて下さった竹内先生と、この機会を設けてくださった皆様に感謝しつつ、日常においての「傾聴」検証中のこの頃です。